- 横山 佳菜子
憧れの人をきっかけに自分を知る
こんにちは。横山佳菜子です。
当たり前の話なんですが、
自分の人生の幸福度って、
自分のモノサシでしか測れないですよね。
で、こちらも当たり前の話ですが、
そのモノサシは、どれだけ自分にとっての理想に近い状態で
自分がいられているか、だと思います。
自分としての理想は、
なりたい自分(到達したい目標やゴールが明確)に立脚する人と、
ありたい自分(理想とする状態が明確)に立脚する人に分かれるというのが実感ですが、
今日は私の周りに圧倒的に多い後者の「ありたい自分派」について書きたいと思います。
この、「ありたい自分」に立脚したモノサシを持っている人に
とって(リバーピープルとも言われますね)、
「ありたい自分」というのはおぼろげに感じているにすぎず、
明確に言語化できている人は少ないのではないでしょうか。
では、どのように言葉にしていくことができるのでしょうか?
比較的手軽にできるやり方として「憧れの人」を書き出す、という方法を
ご紹介したいと思います。
「え~そんなことで自分のありたい姿って考えられるの?
憧れの人って言ったってたくさんいるし、特に意味なんてないしバラバラだけど?」
なんて声が聞こえてきそうですが(笑)
反論するわけではないですが、一つの材料として
私の憧れの人で考えてみたいと思います。
私の憧れの人、としてパッと思い描いたのは…
「母方の祖母」
「崖の上のポニョのリサ」
「マザーハウスの山口さん」
「サイボウズの青野さん」の4人です。
(こう並ぶと面白い…自分で挙げておいてナンですがけっこう意外な顔ぶれです)
それぞれ憧れる理由を考えてみます。
---------------------------------------------------------------------
■母方の祖母
私には優しいおばあちゃんでしたが、
戦後復興の貧しさと夫の体の弱さもあって
男に交じって働き子育てした、賢く強い人でした。
亡くなって13年経つ今も、親戚が集まると祖母の
素晴らしさ・ありがたさについて話が出ます。
貧しい中でもできるだけ子には教育を受けさせ、
「子どもにはお金を残しても意味はない、教育を残さないと。
お金は取られるけど、頭に入った学びは誰も取っていけない」
と言っていたそうです。
わたしはこの祖母が好きでかわいがってもらいましたが、
「良い字を書きたいと思えば、笑いながら書くことよ。
怒り顔で書いた字と笑いながら書いた字を見比べてごらん」
と言われたことが一番記憶に残っています。
最も大事なものを見極める、それを自分で実行する、
凛とした強さを祖母から受け継いでいきたいなと思います。
■崖の上のポニョのリサ
アニメやドラマの登場人物でこんなに好きになったことはない!と
言えるほど大好きです。
感情表現がストレートで、
自分の子もそうじゃなくても分け隔てなく優しい。
(ハムの入ったラーメン美味しそうだった)
正義じゃないと思うことには
毅然とした態度で怒れる。
嵐がきて、子のソースケやポニョを置いて
自分の勤務先である老人ホームに駆け付けるシーンは、
母親というステレオタイプではなく
自分というフィルターで「正」を判断するリサが
描かれていて、とにかく清々しい。
■マザーハウスの山口絵里子さん
「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念の下、
発展途上国の素材(ジュートや皮、金属)と技術に、
自らのコンセプトやデザインを掛け算したバッグやジュエリーで
雇用と利益と誇りを途上国にもたらすマザーハウス。
創業から10年経っても
モノづくりの現場の最前線でデザイナーとして苦闘している感じや
途上国のメンバーひとりひとりのキャラクターを愛しリスペクトしている感じ、
この理念を実現するためにもきれいごと・絵空事で終わらないためにも
成果で価値を実証するんだという気迫にも惹かれています。
でも見た目だけかもしれないけど、
彼女から醸し出される肩の力が抜けている感じもなんともいえない。ギャップ。
■サイボウズの青野 慶久さん
「世界一のグループウェアを創る」という理想に向けて、
100人いれば100通りの人事制度、育休社長、副業推奨など、
一見効率がわるくて非合理に見えることに合理性を見出し、
先見をつけ、メッセージし続けられています。
最近は働き方改革やダイバーシティマネジメントの象徴企業のようになっていますが、
「だからこそサイボウズがこけたら責任は重い」とも発言されています。
評論家的に外野から「日本の課題は~」と言うことは誰でもできますが、
自身が正しいと思うことを、実践者として自社の成否で実証すると
矢面に立っているスタンスに惹かれているのかもしれません。
(夫婦別姓もホットですね)
---------------------------------------------------------------------
こうやってひとりひとり文字にして憧れる理由や
惹かれる要素を挙げていくと、
「あっ、そうだったんだ」
「ここがポイントだったのね」
「この人とこの人は私にとって共通項があるんだな」と、
自分でもまるで気づいていなかった発見がありました。
そして、これらを改めて眺めてみると、
私の琴線に触れる要素としては
下記のようなことがあげられるのかなと思います。
●自分にとっての正義や本質に嘘をつかない潔さ
●自ら実践し、成果を問われる肝は自分が握るという強さ
●多様なものを分け隔てなく、リスペクトしながら活かそうとするかかわりかた
●キレキレではなくどこか肩の力が抜けている感じ(ユーモラスな感じ、気楽さ)
改めて見つめてみるといつも大切にしたいと考えている言葉と並んで
自分でも意外に思う言葉が出てきましたが、いずれも、
ありたい自分像の「素材」としてはかなり納得感があります。
…いかがだったでしょうか?
今日は憧れの人をヒントに、ありたい自分像を考えるというお話でした。
秋の夜長に、皆さんもぜひやってみてくださいね。
あなたにとっての憧れの人は誰ですか?
どんなところに惹かれていますか?