- 横山 佳菜子
その仕事は「職業」か「生き方」か?
こんにちは。キャリアカウンセラーの横山佳菜子です。
すごい台風でしたね。
我が家は夜中3-4時あたりがもっとも風が強かったです。
雨戸のない2階の窓ガラスが風で割れるんじゃないかと恐ろしくて
思わずカーテンを閉めてまわりましたが、もし本当に割れた場合、
あれは意味があったのでしょうか。。
昨日は選挙投票日でもありました。
20時過ぎから池上彰さんの選挙番組を観ていたのですが、
目を引いたのが池上さんの小泉進次朗さんへの直撃インタビュー。
自販機前でアポなし取材をしていたようでした。
(総選挙の番組では毎回やっている?視聴率が取れるからですかね。)
池上さんが政治学の大家マックス・ヴェーバーの著作「職業としての政治」を引き合いに出して、「読まれましたか?」と質問すると、
「勿論何度も読んでいます。非常に影響を受けています。ですが、僕はこのタイトルには同意できません。政治は職業だと思わないからです。生き方です」と小泉さん。
「こうやって自販機の前で、ジュースをかったりコーヒー買ったり、コンビニいったり、餃子食べたり、そういったことを含めて一挙手一投足すべてを見られ判断をされる。それが政治の世界です。僕はそういったことを含めて政治家という職業ではなく、生き方を選択したと思っています」
と強い口調で続けました。(記憶をもとに書いていますので一部違いがあったらすみません)
よく仕事のことを、3つの段階に例えられることがあります。
・ライスワーク(rice work) 食べるためや、お金を得るための仕事
・ライクワーク(like work) 好きなことや適性のある仕事
・ライフワーク(life work) 人生をかけた使命としての仕事
(最近はこれに加えて、「ライトワーク(light work) 相手や社会に光を当てる仕事」というのもあるんだとか?)
これらになぞらえると小泉さんは、自分は上のふたつではなく、ライフワーク(+ライトワーク)の覚悟でやっているんだ。そして政治家という仕事はその覚悟がないとできないんだ、ということを言っているのでしょう。
個人的には、政治家の小泉進次朗さんという方をよく知っているわけではありませんが、選挙番組の中で突然の直撃取材をされて、こんな風に自身の仕事の捉え方で切り返せるこの人はすごいな、と感じるきっかけになりました。
同時に、キャリアを考えるときに、「(ご自身にとっての仕事が)ライスワークだったらダメ」ということではない、ということも多くの方に伝えたいな、と思います。
先日、とある企業さんのワークショップで「ミスを連発して信用を失った20代のころが最もつらかった。何回も失踪しようと思ったくらいだよー」とおっしゃっていた50歳くらいの参加者がいらっしゃいました。
なんとなくその話しぶりが気になって、「なぜそんなにつらかったのに失踪しなかったのか?」に耳を澄ませていると、
「だって生活にはお金がかかるから。しかも僕はここが二社目でね。ミスして逃げるを繰り返したら僕はもう普通に働けないと思ったんだよね。」と続けられました。
この方は鼻息荒く仕事のやりがいやご自身の成長なんてことは語りません。
きっと上記の分類では、ご自身が仕事をする意味はライスワークと捉えていらっしゃいます。
でも、ご自身やご家族が生活をしていくための職を継続していくために、
できない自分に目を背けずにきちんとご自身の弱い気持ちに勝ってこられたのでしょう。
そこにはすごく職業人としての凛とした強さを感じますし、
その在り方が組織に安定感をもたらしてこられたのだろうと想像しました。
すべての人にとって、仕事は人生と不可分なものですし、
人生の多くのウェイトを占めることは事実です。
仕事でのいくつもの成功・失敗・葛藤体験を通じて、
ひとりひとりの能力だけでなく価値観が発達し、
そのことが人生をさらに豊かなものにしていくのだと思います。
ですが、その経験によって、仕事の捉え方が変わっていくこともあるでしょうし、
ないままその捉え方を成熟させていくこともまた素晴らしいことだと私は感じます。
あなたにとって仕事はライスワークですか?
ライフワークですか?
どちらでありたいと思いますか?